- 作者: 猪木寛至
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/02
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 59回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
1998年5月、新潮社より刊行された『猪木寛至自伝』を改題、エピローグを追加して2003年に文庫化。
今でも日本でもっとも知名度のあるプロレスラー(元含む)であるアントニオ猪木が書いた自伝。書いたとはいえ、実体はゴーストライターがいたものと思われるが、まあそんな裏を探っても仕方がない。少なくとも、猪木自身が自分の名前で出した本なのだから。自伝ということもあり、借金やクーデターなど都合の悪いところはさらっと書かれているのみなのは仕方がないことか。まあこういうこと本でなければ、当時のブラジル移住などについての話を読むことなどなかっただろう。そういう意味では非常に興味深い本だった。他には馬場に対するライバル心や嫉妬がここでも目立つということかな。常に馬場の名前が出てくるところを見ると、逆に馬場の掌で転がされている気にしかならないのだが。師匠力道山や永遠のライバルジャイアント馬場に較べ、皆に騒がれながら引退することができたという点で、猪木は勝ったと思ったのだろうか。後継者を作ることができなかった点で、先の二人に勝てなかったと私は思っているのだが。
新たに書き下ろされたエピローグでは、新団体UFOについて書かれている。すでにこの団体はなくなっているところも猪木らしいというか。いつまで経っても影響力を持ち続けていたい、脚光を浴びたいという猪木らしさがここでも現れている。