- 作者: ヒラリーウォー,Hillary Waugh,法村里絵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2000/09
- メディア: 文庫
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1965年の作品、翻訳は2000年。
瀬戸川猛資に影響された人が東京創元社に入社したのかと思わせるぐらい、一時期多くの作品が翻訳されていたウォー。これも新刊で買ったのだが、読むのは今頃である。
ひとことで言ってしまうと、ウォーらしい警察小説、で終わってしまう。もちろん、レベルは高いのだが。殺人事件が起きて、さらにひとりが失踪。事件関係者となってしまったパーティーの出席者たちの、様々な思惑や右往左往振りを楽しみ、捜査の進展が全く見られず後手ばかりを引いてしまうフェローズ署長以下の警察側の動きの悪さに苛立ちながら、読者は誰が犯人なのだろうかとジリジリさせられながらページをめくることになる。
本格ミステリとして楽しめる警察小説を読みたい、いう人には満足できる仕上がりになっていると思う。
ただウォーを始めて読む人なら、『失踪当時の服装は』とか『事件当夜は雨』を先に読んだ方がいい。登場人物が多いので事件の背後関係を把握するのが少々手間であり、また警察の捜査が遅すぎるので、読んでいてちょっとまどろっこしいと感じる人がいると思う。