若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていた――。スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会との違和。遠回りをしながらも内面を見つめ変化に向き合い自分らしい道を模索する。芸人・オードリー若林の大人気エッセイ、単行本未収録100ページ以上を追加した完全版、ついに刊行!(粗筋紹介より引用)
『ダ・ヴィンチ』連載。2013年、単行本刊行。2015年12月、未収録エッセイを追加し、完全版として角川文庫より刊行。
エッセイにも定評のあるオードリー若林の初エッセイ集。初期のころは人見知り芸人として知られていたが、今ではすっかり小物MC……と口では言っているが次期大物MCになるだろう。そんな若林が世に出てからの世間や芸能界の“常識”と自分の“価値観”との違いにとまどったり、疑問を投げかけたり、新しい発見をしたりといった面白さがそこにある。あ、そうと簡単にスルーしそうなところに向ける視点がさすがというか、ナナメの目線というか。
今頃読むかといわれそうだが、読んでみて非常に楽しかった。次も読んでみようと思う。