平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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ジェフリー・ディーヴァー『コフィン・ダンサー』上下(文春文庫)

コフィン・ダンサー〈上〉 (文春文庫)

コフィン・ダンサー〈上〉 (文春文庫)

コフィン・ダンサー〈下〉 (文春文庫)

コフィン・ダンサー〈下〉 (文春文庫)

FBIの重要証人が殺された。四肢麻痺の科学捜査専門家リンカーン・ライムは、「棺の前で踊る男(コフィン・ダンサー)」と呼ばれる殺し屋の逮捕に協力を要請される。巧みな陽動作戦で警察を翻弄するこの男に、ライムは部下を殺された苦い経験がある。今度こそ……ダンサーとライムの知力をつくした闘いが始まる。(上巻粗筋紹介より引用)

殺し屋「コフィン・ダンサー」は執拗に証人の命を狙う。科学捜査専門家リンカーン・ライムは罠を張って待ち構えるが、ダンサーは思いもよらぬところから現れる。その素顔とは。そして四肢麻痺のライムと、その手足となって働くアメリア・サックス巡査の間には愛情が育っていくが……。サックスにダンサーの魔手が迫る!(下巻粗筋紹介より引用)

1998年、発表。2000年10月、文藝春秋より邦訳単行本刊行。2004年10月、文庫化。



リンカーン・ライムシリーズ第2作。今回は、「棺の前で踊る男(コフィン・ダンサー)」と呼ばれる殺し屋が相手。互いに知力を振り絞り、これでもかというぐらいに相手の裏をかこうとする。そのどんでん返しの連続は、本作でも健在。よくぞまあ、ここまでというぐらいに相手の手を読もうとする対決には感心する。もっとも本当にこれでいいのかというぐらいに強引なところ(一つの仮説からスタートするあたりなど)があるものの、展開が早すぎて読んでいる分には全然気にならない。手に汗握るサスペンスと、まさかと思わせる手口、そして意外な結末など、読みどころ満載である。

シリーズ2作目ということもあって登場人物の造形が固まってきており、慣れてきた彼らのやり取りもまた楽しむことができる。ライムとサックスの仲が深まる過程もまた楽しめる。

これだけ面白ければ、シリーズが続くのも当然と言えよう。ということで、もう少しシリーズを追ってみようと思う。