- 作者: ドロシー・L.セイヤーズ,Dorothy L. Sayers,浅羽莢子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫
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1935年11月、刊行。1936年6月、『大学祭の夜』のタイトルで春秋社より抄訳刊行。2001年8月、新訳刊行。
『大学祭の夜』というタイトルだけは有名で、気になっていた。多分、ミステリファンなら当時、誰でも手に取ってみたいと思っていただろう。セイヤーズといえば邦訳しにくい作家の代表格だった気がする。完訳なんて絶対出ないだろうと思っていたら、浅羽莢子が第一作から訳し始めたので、この作品もいずれ訳されるだろうとは思っていた。まさに待望の一冊、というところだろう。しかし新刊で買いながら今頃読むのはなぜだ(苦笑)。
しかしこんな作品だとは夢にも思わなかった。手に取ってみると、とにかく厚い。文学などの知識がないと訳せないような引用なども相変わらず。それに、殺人事件すらないとは思わなかった。結局ピーターとハリエットの恋愛小説に終わるし、なんて思ってしまった。それでも時間をかけて読むだけの本だったとは思う。ただ、それにしても厚かったなあ。
はっきり言って、ミステリの部分はあまり印象に残っていない。何なんだ、このカップル、みたいな印象の方が強い。それでも目を離せない作品ではあった。いや、それ以外何を言ったらいいんだ、これに。シリーズキャラクター小説、ならではの作品。それをミステリでやってしまうところに意義がある……のか。