ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 文庫
- 購入: 20人 クリック: 637回
- この商品を含むブログ (245件) を見る
2011年10月、書き下ろし刊行。
「プロローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)I」「第一話 アントイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)」「第二話 福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)」「第三話 足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)」「エピローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文芸春秋社)II」を収録。
栞子が退院し、舞台は完全にビブリア古書堂へ移る。そして栞子の母親の謎に迫る話となり、シリーズの中核が定まっていく。
相変わらずの蘊蓄は読めるのだが、『UTOPIA 最後の世界大戦』みたいに自分の知っている話となると、かなり退屈になることを今知った。逆に『時計じかけのオレンジ』のようにタイトルこそ知っているが、中身を知らない作品だと結構興味深く読めた。そう考えると、ラノベの読者層を考えたら、あまり読まれない本をターゲットにしているのだろうなあ、という作戦は見えてくる。別に悪いというつもりはないが。
謎としては可も無く不可も無くと言ったところ。推理についてはかなり強引。二人の関係は名前呼びに変わったが、それ以上の進展は無し。それにしても、栞子と文香の母親である篠川智恵子って黒いねえ。第三話なんか、腹立たしくなったよ。
『クラクラ日記』の件については、あまりにも無謀すぎ。本がどれだけ流通しているのか、古本屋商売なら知っているだろうに。
軽いからさくさく読めるけれど、それだけ。いや、もう少しサービスシーンぐらい作る気はないのか、作者は。