平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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三上延『ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ』 (メディアワークス文庫)

太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていた。過去を再現するかのような奇妙な巡り合わせ。深い謎の先に待つのは偶然か必然か? (粗筋紹介より引用)

2014年12月、書き下ろし刊行。



「プロローグ 入院していた大輔」「第1章 走れメロス」「第2章 駆込み訴え」「エピローグ シリーズ完結に向けて」

今回も長編の第6巻。お題は太宰治。第1巻で出てきた因縁の「せどり男爵」が登場。最初からこの構想があったかどうだかわからないが、よくぞここまで引っ張ったものだと素直に感心。ただ読んでいて、一番面白くなかったのがこの巻だった。悪意のある人たちの集合としか思えない。もうお前ら、勝手にやれよ。

まあ、ラノベにはイチャラブを期待してしまう自分が悪いのだろうな。栞子が妙に積極的な割に、そういう展開がほとんど無いのは残念。