平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と不思議な客人たち』(メディアワークス文庫)

ある夫婦が営む古書店がある。鎌倉の片隅にひっそりと佇む「ビブリア古書堂」。その店主は古本屋のイメージに合わない、きれいな女性だ。そしてその傍らには、女店主にそっくりな少女の姿があった――。女店主は少女へ、静かに語り聞かせる。一冊の古書から紐解かれる不思議な客人たちの話を。古い本に詰まっている、絆と秘密の物語を。
人から人へと受け継がれる本の記憶。その扉が今再び開かれる。(粗筋紹介より引用)

2018年9月、書き下ろし刊行。



「プロローグ」「第一話 北原白秋 与田準一編『からたちの花 北原白秋童話集』(新潮文庫)」「第二話 『俺と母さんの思い出の本』」「第三話 佐々木丸美『雪の断章』(講談社)」「第四社 内田百聞『王様の背中』(樂浪書院)」「エピローグ」を収録。

ビブリア古書堂シリーズ最新刊。といっても第7巻で完結しており、本書はその7年後という形。主人公の篠川栞子と五浦大輔が結婚し、扉子という6歳の娘が登場。大介が海外出張へ出かけるときに忘れた青い革のブックカバーを探してくれという依頼から、栞子が過去に携わった本にまつわる4つのエピソードを扉子へ語る。

いわゆる後日譚。もう少し栞子と大輔のイチャイチャがあってもよかったんじゃないかと思うのは私だけかな(苦笑)。主要登場人物のその後がしっかりと書かれており、ファンにはたまらない内容だろう。本にまつわる謎もそのままだし、久しぶりに読む分には十分楽しむことができた。唯一気がかりなのは、本ばかり読んでいる扉子の将来か。6歳にしては大人びている気もするが。

完結巻で書きたいと言っていた内容だが、この時期に発売されたのはやはり映画が公開されることが影響しているのだろう。映画がヒットすれば、まだ続くのかな。