- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (55件) を見る
- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (46件) を見る
「ゴビラサ…」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。やがて、彼の残した言葉と度重なる霊現象が結びついた時、孤独な少年の死に端を発した一連の事件にまつわる驚愕の真実が明らかになる。美貌の助手を伴う怜悧な霊現象探求家・真備と、売れないホラー作家・道尾のコンビが難事件に挑む。(下巻粗筋より引用)
2004年、第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。2005年1月、幻冬舎より単行本で刊行。2006年1月、幻冬舎よりノベルス化。2007年10月、上下巻で幻冬舎より文庫化。
本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞、大藪春彦賞、山本周五郎賞、直木賞を立て続けに受賞し、現在も一線で活躍する作者のデビュー作。ホラー作家の道尾秀介と霊現象探求所を構える真備庄介が活躍するシリーズ(といっても長編2作と短編集1作しかないけれど)の初登場作品でもある。
解説の中のインタビューにもあるけれど、「最終的に本格の仕掛けで落とすホラー長編」という趣向。そういう意味での仕掛けとしては見事に成功していると言わざるを得ない。ホラー小説ファンからしたらがっかりするところがあるかもしれないが。まだまだ怖くできる要素はあったと思う。
応募時1200枚あった原稿が900枚に切り詰められているとのことだが、道尾と真備の会話がやや冗長という感があることは否めない。今だったらもっと刈り込むか、逆にもう一つ二つアイディアを入れていたような気がする。
なんでこれが特別賞なんだろうと思ったら、大賞は沼田まほかるか。小説としての面白さなら道尾の方が上だったが、賞のコンセプトを考えると特別賞で終わったのも仕方がないか。