平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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名梁和泉『二階の王』(角川ホラー文庫)

 

二階の王 (角川ホラー文庫)

二階の王 (角川ホラー文庫)

 

  30歳過ぎのひきこもりの兄を抱える妹の苦悩の日常と、世界の命運を握る<悪因>を探索する特殊能力者たちの大闘争が見事に融合する、空前のスケールのスペクタクル・ホラー! 二階の自室にひきこもる兄に悩む朋子。その頃、元警察官と6人の男女たちは、変死した考古学者の予言を元に<悪因研>を作り調査を続けていた。ある日、メンバーの一人が急死して……。第22回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。文庫書き下ろし「屋根裏」も併録。
 2015年、第22回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞。2015年10月、KADOKAWAより単行本刊行。加筆修正のうえ、書下ろし「屋根裏」を併録して2017年9月、文庫化。

 ひきこもりとそれに悩む家族の姿はよく書けていると思うけれど、「悪因」の設定描写が今一つでわかりにくい。また「悪因研」のメンバーの描写が少なすぎて、毎回こいつ誰だっけとページを戻る羽目に。結局まどろっこしいまま、最後まで行ってしまった。二階の王にまつわるどんでん返しは面白かったが、それ以外は設定のわりに描写が少なかったので消化不良感が残るばかり。読んでいて退屈だった。