加藤元浩『Ｑ．Ｅ．Ｄ．―証明終了―』第43巻（講談社 マガジンコミックス）

Q.E.D.証明終了(43) (講談社コミックス月刊マガジン)

巨大製薬会社の社長が自宅で殺害され、唯一犯行が可能だった海外営業部部長が逮捕される。2ヶ月後、テレビ番組の企画で、弁護士のシナリオによる現場での事件再現ゲームが行われる。当日現場にいた4人を証言通りに行動させ、誰に犯行が可能だったかを検証するものだった。「検証」。
巨大投資銀行が有望な投資先として選んだのは、宇宙空間まで繰り返し往復できる宇宙船を持つという民間宇宙旅行会社だった。その会社のコンサルタントは、神業とまで呼ばれたセールストークを持つジンジャーだった。「ジンジャーのセールス」。
「検証」に関しては、警察が何故真犯人を捕まえることができなかったのか、という疑問は残る。それこそ、最初に検証しそうな内容だからだ。その点を除けば、再現ドラマによる検証とその意外な結末が上手く決まっているように見える。
「ジンジャーのセールス」は結末が好き。これは着地が綺麗に決まった作品。