平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第18巻(講談社 マガジンコミックス)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(18) (月刊マガジンKC)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(18) (月刊マガジンKC)

香港の不動産王・周佳玲に招かれた森羅と立樹。周が持つサッカーチームの試合を香港スタジアムで見ながらの交渉中、周と敵対する北興会会長郭小熊が同じスタジアムで殺害された。死ぬ間際に発した「周のトコの双子は瓜二つ」という言葉から、香港警察の田刑事は周の子供を疑うが、二人は二卵性双生児の男女だった。成り行きで事件にかかわる森羅たちだったが、そこへ双子の兄・文龍が、郭の組織の若い者に追われて転落死した。「黒社会」を巻き込んだ二つの組織の抗争の結末は。「龍鳳胎」。
転校生の堺修二へなぜか付きまとうクラスメイトの田崎保。そのせいか、クラスメイトの誰もが堺へ冷たい。漠然と思い出すのは、自転車に乗っている男子がトラックに轢かれるシーン。そして消えている謎の吹奏楽部部長。「A列車で行こう」。
金持ちの主婦であるド素人の女性が、自らのコレクションを飾るために庭へ立てたガラス館。ライバルの女性たちも呼んでのお披露目後、価値のあるティファニーのガラス細工が割られた。ガラスが割れる音がしたときは、全員が別室でお茶を飲んでいた。「ガラスの博物館」。
前後編で力が入っているのは「龍鳳胎」。謎そのものよりも、香港における男女の双子にまつわる話の方が面白い。あとの二つは平凡な仕上がりか。まあ、どれもこれも力が入っているより、途中で力が抜けた作品を読むほうが、ラインナップにメリハリが出てくるし、これはこれでいいのかも。