平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『Q.E.D.―証明終了―』第41巻(講談社 マガジンコミックス)

Q.E.D.証明終了(41) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(41) (講談社コミックス月刊マガジン)

東ヨーロッパ、バルキア共和国の大統領、スワミ・ガレスは汚職による不正蓄財を繰り返し、国内の経済状況を悪化させた。さらに国民の不満が頂点に達した時、演説で外国人排斥を訴え、内乱となる。反政府組織と軍の衝突による3か月の内乱で、3万人が虐殺された。国連の軍事介入で反政府軍が暫定政府の大統領に就任したが、スワミは国外逃亡、ベルギーで逮捕された。ベルギー政府はスワミを自国で裁こうとしたが、バルキアのマントリー新大統領は、自国で裁くため引き渡しを求めるべく、国際司法裁判所に訴えた。MIT時代の友人に依頼され、バルキア共和国側の補佐人として招かれた燈馬と可奈。そしてベルギー側のアドバイザーは、森羅だった。問題となるのは、マントリーがスワミの大統領職を解くために送った「解任状」を持つ特使が行方不明になっている事だった。消えた特使を追う燈馬達。法廷における森羅と燈馬の対決の結果は。「大統領逮捕事件」。
友人であるリンに依頼され、苛立ちや憎しみで苦しんでいる夫のカフ・ダービーを救うためにアメリカの刑務所を訪れた燈馬。カフはかつて、「神の目を持つ投資家」と呼ばれ、経済誌の表紙を何度も飾った男だった。カフは燈馬に、自らの過去を語る。必ず儲かる投資先を見つけてきたのは、天才占い師であるリンであったこと。そしてカフは、リンと共同経営者が拳銃で撃たれた事件に遭遇し、裁判にかけられる。「カフの追憶」。
掲載誌が季刊の『月刊少年マガジン+01』に変わったから、刊行ペースがどうなるかと思ったら、もう一つは描き下ろしだった。確かにこれだったら、今までと同じペースで刊行してくれそうだ。
「大統領逮捕事件」は燈馬vs森羅が注目。それにしても、頭がよすぎて先走りする燈馬を修正する可奈って、本当にすごい。恋愛感情云々を除いても、ベストパートナーだと思う。
「カフの追憶」については、少々アンフェア。最もこの話のいいところは、燈馬を待っている可奈の姿。当たり前の世界との橋渡しであり、フィルターであり、防波堤でもある可奈が、燈馬には必要なんだと実感させられる。