平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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レイモンド・チャンドラー+ロバート・B・パーカー『プードル・スプリングス物語』(早川書房)

プードル・スプリングス物語 (Hayakawa Novels)

プードル・スプリングス物語 (Hayakawa Novels)

『長いお別れ』で出会った大富豪の娘リンダ・ローリングと結婚した、私立探偵フィリップ・マーロウは、高級リゾート・タウン、プードル・スプリングスの豪華な新居に落ち着くことになった。

だが探偵稼業をやめたわけではない。新妻の財力に頼らず、町のはずれに新しい事務所をひらくと、噂をききつけたのか、早速、怪しげな依頼人がやってきた。

賭けの借金を払わずに姿を消した男を探してほしい、とカジノ経営者のリビイという客は頼み込んだ。看板を掲げている以上、どんな依頼も引き受けざるをえない。そして仕事をはじめると、事は意外な様相を見せるのだった……。

レイモンド・チャンドラーの未完の遺作(本書の第四章まで)を、当代随一の人気ハードボイルド作家ロバート・B・パーカーが師のあとを継いで三十年ぶりに完成させた超話題作。いまここに、私立探偵フィリップ・マーロウ甦る!(粗筋紹介より引用)

1989年、アメリカで刊行。1990年、翻訳。



自慢じゃないが、チャンドラーは嫌いだ(本当に自慢じゃない)。長編4冊と短編集1冊ぐらいしか読んでいないが。

自慢じゃないが、パーカーは嫌いだ(本当に自慢じゃない)。長編3冊しか読んでいないが。

ということで、嫌いな作家2人が組んだのだから、いくらハードボイルドが好き(?)な私だからといっても、面白いはずがない。じゃあなぜ買ったんだ、と言われても、もう15年以上も前の話だから、覚えていないなあ。まあ、タイトルだけは知っていた作品だから、何となく買ってみようと思ったんだろうな、きっと。

内容としては、チャンドラーの模倣としか言い様がない。そもそもあのマーロウが結婚するという、チャンドラーの構想がさっぱりわからないものだったが、それを踏襲するのだから、先行きは見えたようなもの。事件の謎より、そっちの方ばかり気になって仕方がなかった。まあ、事件そのものも大したことはなかったが。

チャンドラーファンならそれなりに面白いんじゃない? 私は楽しめませんでしたが。だいたい、読んでいない『プレイバック』が手元にありながら、こっちを先に読むかね、私は。