元ミステリー・マガジン編集長が、日本で翻訳された推理小説2千冊のなかから100冊を選び解説。推理の楽しさと喜びを満喫の本。(案内より引用)
1977年7月刊行。
一 推理小説の歴史と登場する主人公
二 必読の名作・傑作93選。
三 読む楽しさを倍増する基礎知識
四 推理小説をもっと深くきわめたい人へ
各務三郎による海外ミステリのハンドブック。章タイトルを見れば、どんな内容が収録されているのか大体わかるだろう。
個人的に勉強になったのは、「リストは手づくりにかぎる」。いわゆる名作などのベストは、あくまで基本図書と考えてかかる方がいい、そして自分の歯の合わぬ作家の作品を蹴って、好みの物だけを読破する方が小説を楽しめる。いつか、あなた自身の名作リストが形成されてくる。うん、仰る通りだ。
とはいえ、せっかく93選を挙げてくれているので、ここに記す。★★★は読みはじめたら止まらない18名作。★★は読み終わってウーンと唸る40傑作。★は雨の休日、ゆっくり楽しめる35作品。
<パズル(謎解き)小説>
- エラリイ・クイーン『Yの悲劇』 ★★★
- アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』 ★★★
- コナン・ドイル『緋色の研究』 ★★
- アルフレッド・E・W・メースン『矢の家』 ★★
- S・S・ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』 ★★
- S・S・ヴァン・ダイン『僧正家殺人事件』 ★★
- レックス・スタウト『料理長が多すぎる』 ★★
- アントニイ・バークリー『試行錯誤』 ★★
- エラリイ・クイーン『災厄の町』 ★★
- クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』 ★★
- アガサ・クリスティ『予告殺人』 ★★
- ジョゼフィン・テイ『時の娘』 ★★
- エドモンド・C・ベントリー『トレント最後の事件』 ★
- イーデン・フィルポッツ『赤毛のレドメイン家』 ★
- フリーマン・W・クロフツ『フレンチ警部最大の事件』 ★
- ロナルド・ノックス『陸橋殺人事件』 ★
- エラリイ・クイーン『Xの悲劇』 ★
- ジョン・ディクスン・カー『帽子蒐集狂事件』 ★
- E・S・ガードナー『ビロードの爪』 ★
- アガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』 ★
- エラリイ・クイーン『チャイナ・オレンジの謎』 ★
- ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』 ★
- パット・マガ―『探偵を捜せ!』 ★
- トニー・ケンリック『スカイジャック』 ★
<ハードボイルド>
- ダシール・ハメット『マルタの鷹』 ★★★
- レイモンド・チャンドラー『さらば愛しき女よ』 ★★★
- ロス・マクドナルド『ギャルトン事件』 ★★
- ロス・マクドナルド『ウィチャリー家の女』 ★★
- ミッキー・スピレイン『裁くのは俺だ』 ★
- フランク・レナード『悪徳の街』 ★
- ロバート・B・パーカー『失投』 ★
<警察小説>
- マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー『笑う警官』 ★★★
- P・D・ジェイムズ『黒い塔』 ★★★
- ジョルジュ・シムノン『男の首/黄色い犬』 ★★
- ヒラリー・ウォー『失踪当時の服装は』 ★★
- エド・マクベイン『警官嫌い』 ★★
- チェスター・ハイムズ『イマベルへの愛』 ★★
- パトリシア・モイーズ『死人はスキーをしない』 ★★
- ジョイス・ポーター『切断』 ★★
- ベン・ベンスン『脱獄九時間目』 ★
- エド・レイシイ『ゆがめられた昨日』 ★
- J・J・マリック『ギデオンと放火魔』 ★
- フリードリッヒ・デュレンマット『嫌疑』 ★
- ドロシイ・コーナック『おとり』 ★
- ピーター・ディキンスン『英雄の誇り』 ★
<サスペンス小説・犯罪小説>
- ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』 ★★★
- パトリシア・ハイスミス『太陽がいっぱい』 ★★★
- レニー・エアース『赤ちゃんはプロフェッショナル』 ★★
- コナン・ドイル『バスカーヴィル家の犬』 ★★
- ジェームス・M・ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』 ★★
- ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』 ★★
- アイラ・レヴィン『死の接吻』 ★★
- ボアロー&ナルスジャック『悪魔のような女』 ★★
- カトリーヌ・アルレー『わらの女』 ★★
- ハリー・クレッシング『料理人』 ★★
- アイラ・レヴィン『ローズマリーの赤ちゃん』 ★★
- ジェフリイ・ハドスン『緊急の場合は』 ★★
- ジョナサン・ラティマー『処刑6日前』 ★
- J・ハドリー・チェイス『ミス・ブランディッシの蘭』 ★
- W・P・マッギヴァーン『ファイル7』 ★
- アンドリュウ・ガーヴ『ギャラウェイ事件』 ★
- シーリア・フレムリン『夜明け前の時』 ★
- ロバート・ブロック『サイコ』 ★
- ライオネル・ホワイト『ある死刑囚のファイル』 ★
- リチャード・スターク『悪党パーカー/人狩り』 ★
- フレデリック・フォーサイス『ジャッカルの日』 ★
<冒険小説・スパイ小説>
- アリステア・マクリーン『ナヴァロンの要塞』 ★★★
- ギャビン・ライアル『深夜プラス1』 ★★★
- ディック・フランシス『興奮』 ★★★
- ジョン・ル・カレ『ティンカー・テーラー・ソルジャー・スパイ』 ★★★
- デズモンド・バグリイ『裏切りの死角』 ★★★
- サマセット・モーム『アシェンデン』 ★★
- グレアム・グリーン『密使』 ★★
- エリック・アンブラ―『ディミトリオスの棺』 ★★
- ハモンド・イネス『メリー・ディア号の遭難』 ★★
- ジョン・ル・カレ『寒い国から帰ってきたスパイ』 ★★
- エリック・アンブラ―『インターコムの陰謀』 ★★
- ヘレン・マッキネス『マラガからの秘密指令』 ★★
- ウォーレン・キーファー『リンガラ・コード』 ★★
- ロバート・リテル『ルゥィンターの亡命』 ★★
- ライオネル・デヴィッドスン『モルダウの黒い流れ』 ★
- レイ・デイトン『ベルリンの葬送』 ★
- フランシス・クリフォード『裸のランナー』 ★
<短編集>
- コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』 ★★★
- G・K・チェスタトン『ブラウン神父の童心』 ★★★
- ロアルド・ダール『あなたに似た人』 ★★★
- スタンリイ・エリン『特別料理』 ★★★
- メルヴィル・D・ポースト『アンクル・アブナーの叡智』 ★★
- レイ・ブラッドベリ『メランコリイの妙薬』 ★★
- ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』 ★★
- ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』 ★★
- バロネス・オルツィ『隅の老人』 ★
- R・A・フリーマン『歌う白骨』 ★
「もっと深くきわめるための136冊」もあるのだが、それは本を読んで確認してほしい。さすがにこちらは読んだことのないもの、入手が難しいものが結構ある。