平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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皆川博子『ゆめこ縮緬』(集英社文庫)

ゆめこ縮緬 (集英社文庫)

ゆめこ縮緬 (集英社文庫)

蛇屋に里子に出された少女の幼い頃の記憶は、すべて幻だったのか、物語と夢の記憶のはざまにたゆたう表題作「ゆめこ縮緬」。挿絵画家と軍人の若い妻の戯れを濃密なイメージで描き出す「青火童女」。惚れた男を慕って女の黒髪がまとわりつく、生者と死者の怪しの恋を綴る「文月の使者」他、大正から昭和初期を舞台に、官能と禁忌の中に咲く、美しくて怖い物語八編。(粗筋紹介より引用)

1995年から98年まで、「小説すばる」に掲載された作品を収録。1998年、集英社より単行本として出版された作品の文庫化。「文月の使者」「影つづれ」「桔梗闇」「花溶け」「玉虫抄」「胡蝶塚」「青火童女」「ゆめこ縮緬」の八編。



本を読む人なら、肌が合わない作家の一人や二人は必ずいるだろうが、私にとっては皆川博子がその一人。一応何冊か読んでいるのだが、どこが面白いのかさっぱりわからない。作風そのものは、どちらかといえば好みのはずなのだが。

今回の短編集を読んでも、その印象は変わらず。設定は悪くないと思いつつも、読むのがどうしても苦痛。本来だったら怪しさにつながる結末が、ただの中途半端なイメージとしかとらえられない。

解説だけを読むと、この作品集の面白さが伝わってくるんだがね。もうこればっかりはどうしようもない。苦手なものは苦手。だったら読むなといわれそうだが、買ってあるんだから仕方がない。