平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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大藪春彦『砂漠の狩人』(光文社文庫)

ドイツの極右グループ「黒い狼」を攻撃し、巨大組織ネオ・ナチを敵に回してしまった星島弘。彼は、朋友ビュルガーとともに、「砂漠のキツネ」ロンメル元帥の莫大な隠匿財宝を追う。が、ネオ・ナチも外国人襲撃のテロ資金として同じ秘宝を狙っていた。再び死闘が始まった。ドイツ統一後の国際的な暗闘を描く、待望の書下ろし最新作。戦場の狩人に最大の危機が迫る。(粗筋紹介より引用)

ウェポン・ハンター・シリーズ第7作目。1993年9月刊行、文庫書き下ろし。



優秀なコンバット・カメラマンであり、今では武器商社の経営者である星島弘を主人公にしたウェポン・ハンター・シリーズの第7作目。このシリーズはいずれも光文社文庫から書き下ろしで出版されている。巻末にある主要参考文献の多さで分かるとおり、土地・重火器・歴史・食べ物などのありとあらゆる情報が満載であり、そしてその情報に振り回されてしまい、物語の面白さはほとんどない。大藪にはご都合主義としか言い様がない展開が時々見られるが、このシリーズはその傾向が顕著。結末もとってつけたような終わり方が多い。大藪、衰えたりというのがあまりにも分かりすぎるくらい分かるシリーズである。それでもなんとなく、手には取ってみるんだよね。