平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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大藪春彦『オメガ・ワン破壊指令』(光文社文庫)

オメガ・ワン破壊指令 (光文社文庫)

オメガ・ワン破壊指令 (光文社文庫)

かつて外人部隊で星島とともに死線を彷徨したステファン。彼が何者かに惨殺され、その娘が失踪した――彼女はUFOを目撃したために誘拐されたのか? 亡き友のため復讐を誓った星島弘は、最新兵器製造を企むネオ・ナチ組織の策謀に巻き込まれた! 強靱な精神を武器に、孤独な闘いを演ずる星島の前に強大な敵が! 星島弘のウェポン・ハンター・シリーズ(粗筋紹介より引用)

1990年、光文社文庫より書き下ろしで発売。ウェポン・ハンター・シリーズ第5作。



第1〜4作はアジアを舞台としていたこのシリーズだが、第5作はなぜかヨーロッパが舞台。星島は1960年にフランスの外人部隊に入っていたことになっている。今までの設定を覆すような内容なのだが、本当にこれでいいのか。主人公は本当に星島弘なのかと疑ってしまいたくなる。

あふれる情報に振り回されるのは今回も一緒。とにかくこのシリーズは資料が多すぎて、肝心の物語に割かれるページの方が少なすぎる。設定の矛盾も省みず、書き続けた意味があったのだろうか。