平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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中村希明『現代の犯罪心理』(講談社 ブルーバックス)

現代の犯罪心理―バラバラ事件からカルト集団の犯罪まで (ブルーバックス)

現代の犯罪心理―バラバラ事件からカルト集団の犯罪まで (ブルーバックス)

「なぜ、こんなひどいことを……」とゾッとするような凶悪事件が、このところ日本では多発している。人を巧みにだましても命までは奪わないのが仁義とされたサギ師が恐ろしい連続殺人を起こすかと思えば、自分の悪口を言っていると妄想を抱いた男に出張帰りの乗客が新幹線の車内で突然刺殺された。また、わが国では比較的少ないとされていたバラバラ事件でさえ、最近は珍しいものではない――。

サリン事件など世間を騒がせた近年の大犯罪を紹介しながら、被害妄想という現代人がとらわれやすい心理を軸に、犯人たちの性格や動機、社会的状況など事件を起こした要因を探る。(粗筋紹介より引用)

 1 バラバラ事件はなぜ起こる?

 2 愛憎にひそむ打算の影

 3 “うまい話”にご用心!

 4 被害妄想を起こすものは?

 5 カルト集団の犯罪



作者は精神医学専攻の医学博士。執筆当時はエルステ社会精神医学研究所所長。

犯罪が凶悪化していると書いているが、どのように凶悪化しているのかという具体的なデータは示していないので、あくまでそのあたりは印象論にとどまっている。

犯罪心理と書かれているが、事件そのものへの詳細な探求がなされておらず、せいぜい新聞紙上の事実程度から犯人の心理を追いかけているので、説得力に欠ける。紹介程度という位置づけで充分と思われる。、