平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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星野架名『星野架名 永遠の緑野原』(白泉社 Treasure Album)

 1982年のデビューからSF・ファンタジー・ミステリー…など様々なジャンルにわたる物語と美しい絵柄、愛さずにはいられないキャラクターで人気を博した星野架名。その作品宇宙を徹底紹介します。(帯より引用)
 2023年12月刊行。

 1980~1990年代に『花とゆめ』で活躍した星野架名。1997年を最後に筆が沈黙。以後、数作品を発表するも、2005年の短編「上弦の都市」を最後に新作を執筆することなく、2021年に亡くなられた星野架名。『妙子と青』『緑野原学園』『ビリー・エメラード』などのシリーズで人気を博した作者の魅力を集めた一冊。

『緑野原学園』シリーズの単行本未収録作品「学園音楽4」「迷宮レベル99」を初めとし、ファン有志による全作品紹介、イラストギャラリー、そして2023年に発見された未完成の遺稿「2度寝の唯子」を収録。さらに同期デビュー(1981年の第6回アテナ大賞第2席と第3席)である日渡早紀のトリビュート・イラスト&メッセージを収録。
 白泉社のTreasure Albumは『わかつきめぐみ迷宮探訪』『ひかわきょうこ浪漫紀行』に続く3冊目。

 星野架名は単行本で出ていたら買っていたなあ。絵とストーリーが好きだった。やっぱり一番は『緑野原学園』シリーズ。学園ものとSFファンタジーの融合が面白かったね。イメージアルバムも買ったんじゃなかったかなあ。個人的ベストは、選ぶ人が少ないかもしれないけれど『ルナティック・シネマ』である。霧子と秀一のカップルが好きなんですよ。

 『緑野原学園』シリーズの単行本未収録短編を初めて読むことができて、とても嬉しかった。なぜ未完なのかなあ。執筆が止まった理由がわからないから何を言っても仕方がないのだが、とても残念だった。

 遺構も未完成だが読むことができて嬉しかった。作者の魅力は健在だったね。完成品を読んでみたかったですよ、本当に。

 再録でいいから、ご本人のインタビューか何かを収録してほしかった。それがちょっと残念かな。
 旧作は一部を除いて絶版状態で読むことができなかったけれど、本作の出版に合わせて過去の単行本がすべて電子書籍化されていた。久しぶりに読んでみようと思う。