平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

漂泊旦那の日記です。本の感想とサイト更新情報が中心です。偶に雑談など。

佐藤満春『スターにはなれませんでしたが』(KADOKAWA)

 レギュラー番組19本を数える人気放送作家、トイレ・掃除の専門家、ラジオパーソナリティ、お笑い芸人……様々な顔を持ち合わせオードリーなど多くの人気芸人が信頼を寄せる男サトミツこと「佐藤満春」の自叙伝エッセイ。オードリー若林正恭春日俊彰、日向坂46松田好花、DJ松永、南海キャンディーズ山里亮太、安島隆(日本テレビ)、舟橋政宏(テレビ朝日)との特別対談も収録。(粗筋紹介より引用)
 2023年2月、単行本刊行。

 放送作家、トイレ・掃除専門家、ラジオパーソナリティであり、オードリーの親友として有名な、どきどきキャンプの“じゃないほう”、サトミツこと佐藤満春の、これまでの人生をまとめた一冊。影が薄い、地味、存在感がない、趣味も特技もない、大勢の中で委縮するなど、とても芸能人とは思えないタイプである佐藤満春が、20年間芸能生活でやってきた理由を振り返る。
 好きなことに真摯に取り組む、という当たり前ながら誰もが簡単にはできないことを続ける。だからこそ、周囲の人たちに信頼され、人と出会い、仕事を続け、増やすことができた。実際のところ、確かに「真面目で堅苦しい」かもしれないが、才能がなければ芸能界で続けていくことはできない。「自分の熱」を信じて突き進むことが、どれほど大切か。自他ともに認める平凡な人物かもしれないが、自分を信じて突き進むことの大切さを教えてくれる一冊である。
 特別対談もお薦めだが、やはり若林、春日との対談は別格。戦友ならではの対談であり、互いを認め合ったからこそ話せる内容でもある。春日のお饅頭のエピソードは初めてだろうか。対談はもっとページ数を増やしてほしかったな。