平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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赤塚不二夫『これでいいのだ 赤塚不二夫自叙伝』(文春文庫)

赤塚不二夫自叙伝 これでいいのだ (文春文庫)

赤塚不二夫自叙伝 これでいいのだ (文春文庫)

 

 「これでいいのだ!」の人生観で波乱万丈の生涯を楽しんだ不世出の漫画家・赤塚不二夫。そのスピリットは父親から受け継がれたものだった――。旧満州での少年時代、漫画との出会い、伝説のトキワ荘などを綴るこの自叙伝から、破天荒な赤塚ギャグの奥深くに息づく“家族”というテーマが見えてくるのだ!(粗筋紹介より引用)
 1993年8月、日本放送出版協会より単行本刊行。2002年12月、日本図書センターより再刊。2008年10月、文春文庫より刊行。

 『おそ松くん』『ひみつのアッコちゃん』『天才バカボン』『もーれつア太郎』『レッツラゴン』『ギャグゲリラ』とヒット作を連発し、ギャグ漫画の王様と呼ばれた赤塚不二夫の自叙伝。小学館で担当記者だった武居俊樹が「解説にかえて」を執筆している。
 戦中及び終戦時の満州での話、そして戦後の大和郡山・新潟時代の話がほとんどであり、上京後に漫画家となってトキワ荘に住むようになり、石森章太郎のアシスタントみたいな位置からようやく連載を持つ下りは少ない。そして主に書かれているのが両親の話。粗筋紹介にもあるとおり、「家族」というのが本当のテーマである。赤塚ギャグとか「家族」の話は武居が巻末で少し書いているが、武居自身の著書でもっと書いているのだろうか。
 戦中、戦後の一般的な家族の話として読んでも面白い。やはり戦争って嫌。逆に漫画家時代前後の話が少ないのは残念だが、それは別の著書にあるのかな。