平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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藤子不二雄A『愛…しりそめし頃に…』第12巻(小学館ビッグコミックススペシャル)

『少年画報』での『怪物くん』の人気連載、『少年』での『シルバークロス』の完結、そして『少年サンデー』で2年間落とすことなく完結した才野と満賀の合作『海の王子』……。そして二人の新作は、後に国民的な人気を博する作品だった。その頃、赤塚不二夫石森章太郎も代表作となる次の作品の連載が決まっていた。
「あすなろ編」から40年以上続いた「まんが道」、最終刊。
最終回、最終刊発売について、かなりの媒体で紹介されていた本作品。はっきり言って地味な作品だと思うのだが、ここまで続いた理由は、まんがというものの力なのだろうと思ってしまう。自伝的作品と謳いつつ、後半の方になると時系列も滅茶苦茶になっているのだが、それでも面白く読めてしまうのは、地味だからこそのドラマティックな青春群像が描かれているからだろう。それにしても、トキワ荘を出ないまま終わるとは夢にも思わなかった。その真意については、幾つかのインタビューで語られていたが。
特別付録は、「トキワ荘青春日記アルバム」「トキワ荘青春日記アルバム2」、「日本とぼくが生まれ変わった日」の3本が単行本初収録。特に前2本は、トキワ荘時代の写真が満載という嬉しいプレゼントである(とはいえ、過去に紹介されていたものも多いのだが)。
ちらしには、『宇宙少年団 ロケットくん』全2巻(小学館クリエイティブ)刊行予定の案内が。『夢トンネル』は持っているからいいやと思っていたけれど、これはさすがに買おうかな。できれば『無名くん』あたりの復刊を、安くお願いしたいのだが。