- 作者: 沼田まほかる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/01/09
- メディア: 文庫
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2011年3月、双葉社より単行本刊行。2012年、第14回大藪春彦賞受賞。2014年1月、文庫化。
2011年になぜか沼田まほかるブームが起きた。過去3冊の文庫本がいきなり売れ出した。正直言ってわからなかった。2005年のデビュー作である『九月が永遠に続けば』を私は大して評価していなかったからだ。それがなぜ売れるようになったのか。解説で本書の単行本が圧倒的に面白かったからだと書かれている。だからというわけではないが、それなりに期待して読んでみたのだが……うーん、微妙だった。
手記の内容はまあまあ面白かったのだが、これを簡単に信じるかなあ。一方の現実では、父は末期癌だし、経営する喫茶店が不調だし、婚約者は姿を消すし。普通だったら現実の世界の方に気を取られるんじゃないかな。なんかそんな違和感がずっと続いたまま読んでいたたため、あまり作品に没頭できなかった。
ちなみに手記の方だが、描かれている中身は結構残虐なのに、筆のせいか妙にほのぼのとしたところがあるのが不思議。しかしこんな殺人鬼に共感はできないな。しかも普通に暮らしているし。
うーん、読み終わってみても、どこが面白いのかさっぱりわからなかった。