平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『Q.E.D.―証明終了―』第42巻(講談社 マガジンコミックス)

Q.E.D.証明終了(42) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(42) (講談社コミックス月刊マガジン)

ホテル王の二男に見初められた玉の輿である、エリ・シルバーが、オランダの版画家エッシャーの作品をモチーフにした「エッシャーホテル」を建築。そのオープニングパーティーで、地元新聞記者が「無限階段」の床で首吊り死体となって発見された。わずか5分前には、その場所には何もなかった。そして「エッシャーホテル」が放火され、落ちていた議員バッジから下のさびれたホテルのオーナーである黒住県会議員が疑われる。黒住と殺された新聞記者には、20年前に「エッシャーホテル」の場所にあったアトリエで起きた傷害事件で絡みがあった。「エッシャーホテル」。
CPU大手開発会社を退職した論理学者のミア・フィールドは、自らが設計した全く新しい演算装置の設計図を、午後9時に爆破されるラスベガスの高層ホテルに、「論理パズル」として封じ込めた。集まったのは、かつての上司であるロブ、同僚のベリー、元恋人のラビス。ラビスは元上司と偽って、MIT時代の友人である燈馬たちにその謎を解かせようとした。そこへライフルを持ち、金の亡者を始末しに来たという謎の男。この論理パズルの条件は、「嘘をついたら宝が手に入らない」こと。設計図はどこに隠されているのか。「論理の塔」。
エッシャーホテル」は奇妙な場所(館とでも置き換えようか)での殺人事件だが、不思議感は今一つ。過去の事件に関する部分をもう少し押さえて、不可能部分をクローズアップすれば、謎解きとしてはもう少し面白くなったんじゃないかと思うと、ちょっと残念。
「論理の塔」は、嘘をつかない云々という前提条件をもっと大きくクローズアップさせるべきじゃなかったか。きっちり読み込まなければ、この作品の面白さ(それほどでもないが)は伝わってこないのが残念。