平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第6巻(講談社 マガジンコミックス)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(6) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(6) (講談社コミックス月刊マガジン)

知の象徴である“C”“M”“B”の三つの指輪を持つ榊森羅が事件の謎を解き明かし、“驚異の部屋(ヴァンダー・カンマー)”へ案内してくれるシリーズ第6巻。今回は、エジプトで殺害した人間の臓器を奪うという猟奇連続殺人事件の謎を、森羅が解き明かす。
今回の目玉は、『Q.E.D―証明終了―』から森羅の従兄弟である燈馬想と水原可奈が登場。とある事件でエジプトに来ていた燈馬は、森羅に事件を解き明かすためのアドバイスをし、可奈は七瀬立樹の要請に応じ、森羅を助けるべく大暴れ。
二つの漫画が重なる瞬間があるというだけで、残念ながらそれ以上の共演がないのは残念。できれば森羅と燈馬が共同で事件を解くとか、『金閣寺の殺人』『銀閣寺の殺人』みたいなプロットがあると楽しかったのだが、そこまで求めるのは贅沢か。
二つの漫画の主要キャラクターを並んでみると、作者、全然描き分けが全然できていないぞ、と突っ込みたくなる。そういう意味では、『ロケットマン』の方が面白かったか。
事件そのものは、猟奇連続殺人の謎が陳腐すぎるようでそのもう一つ上のステージを用意しているところは流石か。ただ、トリックそのものには隙が多いというか、荒い部分があるのは気に掛かる。
『Q.E.D―証明終了―』が続く限り、同工異曲である本シリーズにはあまり面白みを感じないのであるが、少しは違うパターンを付けることができるだろうか。