平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第22巻(講談社 マガジンコミックス)

電研が開発したソーラーカーが壊された。犯人はいったいだれか。「夏期補講授業」。
ガラパゴス諸島のイサベラ島で、漁師のサントがダーウィン研究所のアイリス博士に崖から突き落とされたと訴えた。しかしリックはアイリス博士とともに、密漁中のサントの船が走り去るのを目撃しており、倒れていたサントを見つけたのもアイリスとリックだった。正しいのはいったいどちらか。「ガラスの楽園」前後編。
並んでいるものの全てが偽物という、気のいい骨董屋が殺害された。目の前にある交番の警官は、店に入ったのは祖母の掛け軸を盗まれたという若者だけだと証言。しかし若者が入った時間と死亡推定時刻は一致しない。螺旋状に仕切られた骨董屋で起きた出来事とは。「螺旋の骨董品店」。
本巻で目玉は前後編の「ガラスの楽園」。生物の真皮に対する作者の考え方がよく描かれていると思う。若きダーウィンがビーグル号乗船中に遭遇した事件も並行して描かれているが、これは実話じゃないんだろうなあ……。推理物としては、「螺旋の骨董品店」の方が面白い。シンプルだが悪くない出来である。