平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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ジョン・ダニング『幻の特装本』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

幻の特装本 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

幻の特装本 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

警察を辞めて古書店を営むクリフは、元同僚の依頼に愕然とした。存在するはずのない、エドガー・アラン・ポー作『大鴉』の1969年限定版を盗んで逃亡中の女を連れ戻してくれというのだ。その本は限定版専門の出版社の特装本で、見つかれば莫大な価値がある。興味を惹かれ、事件を調べ始めたクリフの前に、やがて過去の連続殺人の影が……ミステリ界の話題を独占した『死の蔵書』に続き、あらゆる本好きをうならせる傑作。(粗筋紹介より引用)

1995年、スクリブナーズ社より刊行。1997年、翻訳。



これも『死の蔵書』が面白かったから新刊で買ったんだけど、今まで積んだままになっていた一冊。厚かったので、手に取ることをためらっていた。

読んでみて、前作より面白さが減った気がする。前作同様色々な古書が出てくるが、本の価値を値段だけで判断しているようで、読んでいても今一つのることができなかった。アメリカでよくあるハードボイルド・アクション小説に古書という付加価値があるから面白かったのに、その付加価値の部分が楽しめないようでは、この作品の価値も半減か。読書感覚や好みが変わってきているのに、10年以上も前に読んだ作品の続編を読んだらだめだよね。続編はすぐに読まなくちゃ。

早く終わらないかな、真相が出てこないかな、などと思いながら読んでいるようではだめ。まあ、のれなかったのだから仕方がない。シリーズの次を読もうとは思わなかった。それだけ。