平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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梶龍雄『蝶々、死体にとまれ』(中央公論社 C★NOVELS)

蝶々、死体にとまれ (C・novels)

蝶々、死体にとまれ (C・novels)

最近の学園祭はまさにカオスだ。現代美術の製作実演、昆虫同好会の珍蝶の標本、貨幣研究会の真物の偽札……無秩序と混乱のうちにあらゆるものが集められている。そんな学園祭のさなか、美人女子大生の死体が昆虫同好会の展示室で発見され、密室と化した部屋からは高価な蝶の標本が消えていた。さらにこの蝶をめぐって次々と起こる怪事件……。年齢もタイプも異なった二人の心惹かれる男性と、事件の謎に挑む不思議な魅力の女子大生奈都子。“祭り”がはねたキャンパスの、秋の日に映えるベンチで彼女が知った真実とは。本格青春推理長篇。(粗筋紹介より引用)

1984年10月刊行。書き下ろしか?



どういう経路で手にしたのかが全く覚えていない。梶の乱歩賞受賞作『透明な季節』は好きだが、他の作品を読みたいと思うまでではなかったはず。

とりあえず読み始めてみたが、シラケとかナウいとか、当時の流行り言葉がカタカナで乱れ飛ぶのには、いくら女子大生の一人称視点で物語が進んでいくとはいえ、さすがにきついものがある。はっきり言えば、その時点で読む気力をなくしてしまったというのが本当のところだ。

確かに不可解な事件が続くものの、読書に没頭していないから、魅力的なものとは感じない。実際に魅力がないのか、自分が見落としているのかはわからないが、解決も大して面白くなかったし、多分その程度なんだろう、きっと。まあ、見落としていたとしても、別段後悔しないが。