平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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ローリー・リン・ドラモンド『あなたに不利な証拠として』(早川書房 ポケット・ミステリ)

警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。何者かが彼女を差し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることもできなかった。それから六年後、キャシーとマージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは……MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く十篇を収録。(粗筋紹介より引用)

キャサリンが登場する「完全」「味、感触、視覚、音、匂い」「キャサリンへの挽歌」。リズが登場する「告白」「場所」。モナが登場する「制圧」「銃の掃除」。キャシーが登場する「傷痕」。サラが登場する「生きている死者」「わたしがいた場所」。

十二年かけて書かれた10作を集めた、作者の処女短編集。2004年、ハーパー・コリンズ社より刊行。



主人公はいずれもルイジアナ州バトンルージュ市警に勤める女性警官。作品によっては、彼女たちが別の短編に登場する。

このミス1位作品ということで珍しく読んでみた(ポケミスそのものは時々買っている)けれど、退屈だった。彼女たち女性警官の日常と苦悩が主となっているため、盛り上がりに欠けるというか、地味というか。警官が主人公で、MWAを受賞しているからミステリに分類されているけれど、純文学に分類されても十分通用するんじゃないだろうか。この作品のどこがよいのか、さっぱりわからなかった。自分にはこういう作品を理解する感性がないんだろうな。