- 作者: 飯城勇三
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 文庫
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2004年12月に出版されたムック版『エラリー・クイーンPerfect Guide』の文庫化。芦辺拓のエッセイやクイーンの短編は文庫化に際し追加されたもの。逆にアメコミ版クイーン「荒れ狂う墓」や日米英以外のクイーン本の書影24点、ショート・コミックなどはカットされている。
クイーンファンによるガイド本。クイーンを読んでいなくても、これ1冊を読めばクイーンのことがわかった気になる。もちろん、作品を読まないとクイーンの面白さを完全に知ることができないのは当たり前のことだが。
文庫本で初めてこのガイド本を読んだけれど、これだけ書かれていればパーフェクトの名前もうなずける。初刊本の書誌なんて凄いね。
ただ、作品紹介でこれだけ賛美されると、ちょっと引いてしまうところがある。この辺が、自分のひねくれているところかもしれない。
本邦初訳短編は、確かにラジオドラマ作品だなと思わせる作品。本邦初訳という以外の面白さはない。むしろ高校生が書いたというパロディ小説「エルロイ・クィン最後の事件」の方が面白い。過去のタイトルを並べただけのパロディかと思ったら、ちゃんと最後に意味づけしてくれるのには感心した。これ一作でやめてしまったのは勿体ない。
クイーンは中期作品の途中でやめてしまっているけれど、もう一回読んでみようかな。自分が若い頃は、謎やトリックの方に重点を置いて読んでいたけれど、今だったら別の視点で読むことが出きる気がする。
ちなみに自分の一番好きなクイーン作品は『Xの悲劇』。エジプトやオランダと迷うけれど。YよりもZの方が好き。『中途の家』も好きだな。