「伝える」の能力で捜査に貢献してきた小鳥遊沙雪が、横浜で人質としてつかまった。犯人は、駆け落ちしてきたという中国人の少年
『小説 野性時代』2025年3月号~9月号連載。加筆修正のうえ、2026年3月刊行。
『バーニング・ダンサー』に続く「コトダマ犯罪調査課」シリーズ第二弾。
コトダマの設定はある程度覚えていたが、登場人物の細かいところは忘れていたので、できれば主要登場人物を別途用意してほしかったな。それに、チームのボスである三笠葵がもたらす不協和音は、前作を読まないと理解しきれないと思う。
複数の事件が同時進行し、チームの面々は分かれての捜査に当たる。ただでさえ半数が素人で、さらに戦力がダウンしているのに、しかも一人は攫われた状態。場面が細かく切り替わることも併せたスピーディーな展開で、サスペンスの盛り上がりはさすがと言える。
ただ事件の謎解きやその後の展開を含め、力業で強引にねじり伏せようとしている感が強い。その分、並行しているストーリーが密接に絡まず、バラバラなままで終わってしまっている。読み終わってみると、作者よこれでいいのか、と聞きたくなるぐらい仕上がりが荒い。作者、仕事しすぎじゃないか。
それにしてもこのシリーズ、どこへ着地点を持っていくのだろう。不穏な空気のまま、次作まで待つのはちょっと辛い。なんだかんだ言っても続きが気になるので、次作を楽しみに待っている。
