断崖に閉ざされた海辺の村に古くから伝わる、海の怪と山の怪の話。その伝説をたどるように起こる連続殺人事件。どこかつじつまが合わないもどかしさのなかで、刀城言耶がたどり着いた「解釈」とは……。シリーズ書き下ろし最新作!(粗筋紹介より引用)
刀城言耶シリーズ第9作。2018年6月、書下ろし刊行。
強羅地方の最西端に属する
四つの怪談だけで百ページ以上。長い。そしてようやく刀城言耶たちが登場するのだが、ここからがまた長い。合計で約二百ページ。相も変わらずフリガナを振ってくれないと読めない名前と地名で、読むのがしんどい。村の位置とか、館の位置図とか図面欲しかったね、これは。わかりにくい。
ようやく変死事件が起きて、そこからは怒涛の展開が続くのだが、それらがいずれも不可能犯罪。開かれた密室ばかりである。もやもやしたものを残しつつ、最後の方は例によって刀城言耶の堂々巡りな推理が繰り広げられる。
なんだか、もっとスッキリ書けないものかな、なんて思いながら読んでいた。最初の怪談、ダイジェストにしてほしかったなあ。そして推理の結果や犯人が面白くない。面白かったのは、最初の事件のトリックぐらいな。これもどうにかなりそうな気がするけれど。それに最後にとんでもない展開が待ち受けているけれど、もやもやしか残らないな。
ということで、長いだけで楽しめなかった。読み終わるのに疲れました。