平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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キャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』(創元推理文庫)

クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)
 

 クリスマスも近いある日、二人の少女が町から姿を消した。州副知事の娘と、その親友でホラーマニアの問題児だ。誘拐か? 刑事ルージュにとって、これは悪夢の再開だった。十五年前のこの季節に誘拐され殺されたもう一人の少女――双子の妹。さが、あの時の犯人はいまも刑務所の中だ。まさか……。そんなとき、顔に傷痕のある女が彼の前に現れて言う。「わたしはあなたの過去を知っている」。一方、何者かに監禁された少女たちは、奇妙な地下室に潜み、力を合わせて脱出のチャンスをうかがっていた……。一読するや衝撃と感動が走り、再読しては巧緻なプロットに唸る。では、新鋭が放つ超絶の問題作をどうぞ!(粗筋紹介より引用)
 1998年発表。1999年9月、邦訳刊行。

 

 「巧緻を極めたプロット」と書かれている割に600ページを超える厚さだから、正直どうなんだろうと思いながら読み進める。だって、厚ければ厚いほど、「巧緻を極めた」という言葉が似合わないじゃないですか。すごい偏見かもしれませんが、プロットに技を仕掛けた作品って、そんなに長いイメージがないんですよ。長ければ長いほど筆を費やすことができる分、描写が詳細になっていって、つまらなくなっていくんですよね。ということでそんな偏見な予想、当たっていました。長すぎます。
 正直ホラー映画が苦手なので、その辺の描写も苦手なんですが、まあそれは置いておくとしても、もっと簡潔に描くことができたんじゃないですかね。その方が、ラストはよっぽど驚いたと思うんですが。
 ごめん、長すぎたという印象しかない。評価されている作品だとは知っているけれど。