平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』上中下(角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

 
ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

 
ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

 

  ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描<ウィトルウィウス的人体図>を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く……。(上巻粗筋紹介より引用)
 館長が死の直前に残したメッセージには、ラングドンの名前が含まれていた。彼は真っ先に疑われるが、彼が犯人ではないと確信するソフィーの機知により苦境を脱し、二人は館長の残した暗号の解読に取りかかる。フィボナッチ数列黄金比アナグラム……数々の象徴の群れに紛れたメッセージを、追っ手を振り払いながら解き進む二人は、新たな協力者を得る。宗教史学者にして爵位を持つ、イギリス人のティービングだった。(中巻粗筋紹介より引用)
 ティービング邸で暗号解読の末、彼らが辿り着いたのは、ダ・ヴィンチが英知の限りを尽くしてメッセージを描き込んだ<最後の晩餐>だった。そしてついに、幾世紀も絵の中に秘され続けてきた驚愕の事実が、全貌を現した! 祖父の秘密とその真実をようやく理解したソフィーは、二人と共に、最後の鍵を解くため、イギリスへ飛ぶ――。キリスト教の根幹を揺るがし、ヨーロッパの歴史を塗り替えた世紀の大問題作。(下巻粗筋紹介より引用)
 2003年、アメリカで刊行。ロバート・ラングドンシリーズ第2作。2004年5月、角川書店より翻訳が単行本刊行。2006年3月、文庫化。

 

 世界的ベストセラーでいまさらという感じだが、これも買うだけ買って放置していたので、時間ができた時に読んでみた。読み始めるとスカスカ進んだので、もっと早く読んでみればよかったと後悔。
 しかし、「聖杯伝説」とか言われてもピンとこないし、ダ・ヴィンチだって伝記の本を読んだことがあるぐらい。キリスト教だって聖書を読んだことがあるぐらいでほとんど知らないので、結局何が凄いのかさっぱりわからないというのが本音。ここまで執念を燃やす必要がどこにあるんだ、と問いかけたくなるぐらい。そのせいか、登場人物たちののめり込みにはかなり引いた部分があった。逆に言うと、その分冷静に読めたのかなとは思ったが。
 まあこれだけ暗号をよく絡められたな、とは感心するけれど、ぴんと来ない部分も多いので、すごいという印象はない。
 となると残るのは、主人公たちの大脱走劇。何のことはない、結局ただのサスペンスじゃないか、と読み終わって思った次第。まあ楽しかったけれど、心に残るものは特になかった。
 ミステリを読むのには知識が必要なときがあるが、本書なんかもそんな一冊。この本の凄さはたぶん理解できていないのだろう。