
- 作者: シリル・ヘアー,富塚由美
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2000/03/01
- メディア: 単行本
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1939年、発表。2010年3月、邦訳刊行。
『法の悲劇』で有名なシリル・ヘアーの第三長編。名家の一族の一人であるレナード・ディキンスンが宿泊先のホテルで死亡。睡眠薬の飲み過ぎによる自殺と評決されたが、納得いかない息子スティーブンと娘アン、アンの婚約者であるマーティン・ジョンスンは異議を申し立てる。レナードは25,000ポンドの保険金を掛けていたものの、自殺では支払われない。そのため三人は素人探偵団を結成し、事件の真相を探る。
事件の真相を探るうちに、ホテルの宿泊客が関係者ばかりであり、醜聞が明らかになっていく展開は読んでいて楽しい。そして皮肉たっぷりの事件の真相と結末は、さすが英国ミステリといいたくなるようなものだ。やはり書き方が巧いな。
ネタバレしないと感想が書きにくい作品だが、一読の価値あり。