- 作者: 桜田一男
- 出版社/メーカー: 辰巳出版
- 発売日: 2018/05/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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2018年5月、書き下ろし。
ケンドー・ナガサキとして活躍した桜田一男の自伝。新日本プロレスでしか見たことがないけれど、ちょっと地味だったが頑丈で受けっぷりもよく、玄人受けするレスラーだった。ただ新日本では、しょっぱいミスター・ポーゴがパートナーであったこともあり、活躍できなかったことも覚えている。ザ・グレート・カブキの陰に隠れていた感はあったが、良いレスラーだった。
そんな桜田の自伝だが、結構辛辣に書いているところも多い。もちろん、そういう方が楽しいのだが。自分がよければそれでいいというミル・マスカラスの評は、万国共通、誰もが同じことを思っているようだ。ブルーザー・ブロディについても同様。逆にプロとして仕事をするレスラーについては高評価だ。やはり自分の腕だけで海外マットを渡り歩いていたのだから、色々とシビアにならざるを得ないだろう。
宝島のインタビューだと、結構削られているとのこと。確かに内容については、思ったほど書かれていない、ソフトな内容だなと思わせる部分もある。実際のところ、もう少しぶっちゃけてほしかったと思った。新日本、全日本、国際プロレスの違いなんかは、もっと書いてほしかった。海外レスラーの薬事情もそれなりに書かれているが、その気になればもっと実名がポンポン出てきたのだろう。
大日本プロレスの退団後はNOWを再開するも徐々にフェードアウトし、飲食店を経営後、いまではマンションの管理人をやっているとのこと。このへんは書かれていなかったなあ。その気になればプロレスのマットに上がることは可能だろうが、年を取った姿でリングに上がろうとしない姿勢もまた美学の一つだろう。
しかしこういう本を読むと、レスラーの評価が世間の見方と異なっている部分が多いことがわかる。もちろんレスラー同士の裏側を当時知る必要はないだろうが、そういう技術の面もわかるようになりたいなあと思ってしまう。