- 作者: スコットトゥロー,Scott Turow,上田公子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1997/06
- メディア: 文庫
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さまざまな思惑が蠢く巨大弁護士事務所のなかで、どうやら自分だけが知らないことがある―トゥロー得意の物語展開はいよいよ冴えわたる。行方不明の同僚を探すさえない中年弁護士マックの前に予想もつかなかった意外な事実が次々に展開される。そしてついにすべてのパイを握ったマックに、壮大な人生の決断が待っていた。(下巻粗筋より引用)
1995年6月、邦訳単行本刊行。1997年6月、文春文庫化。
『推定無罪』は面白かったよな……と思いながら手に取った一冊、いや二冊か。タイトルから法廷ものかと思ったら、元警官の落ちこぼれ弁護士が調査を続けるうちに意外な事実を発見しているストーリー。こんな癖の強い人物ばかりよくぞ集めたものだと言いたいぐらいだが、それを難なく描き分けているのは、さすがベストセラー作家。スピーディーな展開は読者を飽きさせないし、読者の予想を上回る真相は素直に驚かせてくれる。それにしても、こんな法律事務所、いやだなあ。
世界を股に掛けたベストセラーは、読んでみて損はない、と思わせる作品。何となく避けていたけれど、他も読んでみようっと。
ちなみにタイトルにある有罪答弁制度とは、被告人が、公判廷において起訴事実に対し有罪答弁をした場合に、通常の事実審理を経ずに直ちに量刑手続に入ることができる制度だそううだ。