- 作者: 汀こるもの
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/02/15
- メディア: 文庫
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2007年、第37回メフィスト賞受賞。2008年1月、講談社ノベルスより刊行。2011年2月、文庫化。
メフィスト賞受賞作で、後に続くTHANATOSシリーズの第1作。THANATOSとはギリシア神話に出てくる死を司る神のこと。
登場人物の細かい背景があまり語られないまま物語が進むのには参った。そのくせ、主人公たちのキャラクターが濃くて、アンバランス。どう考えても不要と思われる魚の蘊蓄が長すぎ。ネットスラングの多用はどうでもいい。本格ミステリのセオリーを逆手にとった展開。動機もトリックも無視した解決。作者いったい何をやりたかったんだろう。本格ミステリのお約束を打ち破りたかったのだろうか。今時ノックスの十戒とか出てくる時点で萎えるけれど。まあ、今までにない解決方法という気がするけれど、インパクトに欠けているのは残念。キャラクターに頼りすぎて、迫力のある文章が書けていないせいだろう。
感想をいくつか見てみると、人を選ぶ作品であるということ。そして、二作目以降に繋がる伏線もあるので、二作目以降を読んでから判断してほしいとのこと。悪いけれど、二作目以降を読もうという気力が沸かない。