平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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西尾維新『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』(講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、五人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする! 工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友(♀)とその冴えない友人、「戯言遣(ざれごとづか)い」いーちゃん(♂)は、「天才」の凶行を“証明終了(QED)”できるのか? 新青春エンタの傑作、ここに誕生! 第23回メフィスト賞受賞作。(粗筋紹介より引用)

第23回メフィスト賞受賞作。2002年2月、刊行。



実は初めての西尾維新。読むつもりは全くなかったが、メフィスト賞を全部読んでみようと思い立ったので、手に取ってみた。

あまりにも個性的すぎる登場人物。孤島の館で発生する密室首なし殺人事件。舞台や登場人物はエキセントリックすぎる内容ではあるが、密室と首なし死体の謎は割とオーソドックス。というか、どちらの謎もスタンダードすぎて、あまり面白くない(死臭とか、どうするんだろう?)。残念ながら、こちらの方はほとんど添え物。結局は5人の天才や、それを招待した財閥令嬢、そして彼女に仕えるメイドたちなどの物語。彼女たちには、いかにも裏と過去がありそうな設定の描き方をしている割に全く描かずに読者に押し付けているところは、昔の同人誌に近い趣がある(高河ゆんが本当にそうだった)。いかにも続きがありますよ、的な描き方は公募新人賞には不利だと思うのだが、メフィスト賞なら何でもありか。

結局「戯言シリーズ」として続くのだが、若い頃ならともかく、今は読む気が全く起きない。