- 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: 文庫
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2005年発表、英米でベストセラーとなる。2006年4月、早川書房より単行本刊行。2008年8月、文庫化。
2017年、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作の一つ。ノーベル賞を受賞したからではなく、2016年1月にTBSでドラマ化されるので購入した一冊。結局ドラマは見ていないし、読むのは今頃になったが。
主人公、キャシーの一人称による回想で、施設ヘールシャム、そして「提供者」の真実と、その運命に振り回されながらも生きるキャシーたちの姿が描かれる。
「提供者」やヘールシャムの真実は途中で明かされるし、例え明かされなかったとしても容易に想像がつく。何とも感想が書きづらいし、作者が何を語りたかったのかも私には理解できなかったが、人と社会の繋がりを書きたかったのだろうか。小説から迫ってくるものは何もなかったが、それでも不思議な感覚に包みこまれる。何とも形容し難く、それでいて目が離せない作品。うーん、言葉にできない。
文春の『東西ミステリーベスト』海外編のベスト100に入っていたので読んでみたが、これってミステリなのだろうか?