- 作者: 日向まさみち,壱河きづく
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: 文庫
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2004年、第1回ボイルドエッグズ新人賞受賞。同年7月、産業編集センターより単行本刊行。2006年12月、角川文庫化。
「ボイルドエッグズは早川書房の編集者であった村上達朗が、欧米の出版界では一般的である著作権エージェント会社として1998年12月に創業した」(Wikipediaより引用)とのことだ。その会社が主催しているのが、ボイルドエッグズ新人賞。本作品は、その第1回受賞作である。
単行本で出ていた頃から、本格ミステリファンをくすぐるタイトルと、今で言うラノベ風の表紙のイラストが気になっていたのだが、今頃になって読んでみた。とはいえ、読み終わってみると微妙。
一貫校で起きた噂を解決するべく結成された「本格推理委員会」が謎解きに挑むのだが、どちらかと言えば自分探しに近い話。途中から想像着いたけれど、"あれ"が出てきたところで投げ飛ばそうかと思った。うーん、ここでこれをやるか。
登場人物や舞台の紹介がとても長いので、読んでいてまどろっこしいし、物語のテンポを削いでいる。登場人物も多い割に、動きは少ない。ヒロインであるはずの幼馴染み・木下梢の影の薄さは一体何なんだ。特に委員会を結成した学園長が、自分の考えを押しつけるばかりで、読んでいて腹が立ってくる。それで心を変える方も変える方だと思ってしまった。
青春ミステリを目指すなら、もっと軽いテンポのノリが必要。シリアスが不要だとは言わないけれど、使うべきところは限定すべき。主人公の周りを女性で固めるなら、もっとそれっぽい展開も用意すべきだろう。
それにしても、シリーズ化されるの前提、で受賞したのだと思っていたのだが、これ1冊で終わっているとのこと。それだけはちょっと勿体ない。