平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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米澤穂信『夏期限定トロピカルパフェ事件』(創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。さかしらに探偵役を務めるなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を! 恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある小鳩君と小山内さんは、今日も二人で清く慎ましい小市民を目指す。そんな彼らの、この夏の運命を左右するのは<小佐内スイーツセレクション・夏>――? 大好評『春期限定いちごタルト事件』に続く待望のシリーズ第二弾、いよいよ登場!(粗筋紹介より引用)

『ミステリーズ! 』vol.13,14に掲載された短編2本を組み込み、新たに書き下ろしを加え、2006年4月、創元推理文庫より刊行。



春期限定いちごタルト事件』に続く「小市民」シリーズ第2作。前作より1年後の話。「序章 まるで綿菓子のよう」「第一章 シャルロットだけはぼくのもの」「第二章 シェイク・ハーフ」「第三章 激辛大盛」「第四章 おいで、キャンディーをあげる」「終章 スイート・メモリー」を収録した連作短編集。

高校2年になった小鳩常悟朗が夏休み、互恵関係にある小佐内ゆきに誘われ、「小山内スイーツセレクション・夏」を制覇しながら、遭遇した謎(と言えるかどうか不明なものもある)をとき、最後に誘われた理由の謎を解き明かすというお話し。

最後にブラックな展開がある点は前作よりよかったかもしれないが、謎と推理という部分では証拠らしい証拠もないまま推理が流れ去っていくだけなので、はっきり言ってつまらない。

頭でっかちな子供たちの青春物語として読む分にはまあまあ読めるけれど、ミステリとしては面白さが足りない。それ以上、言いようがないなあ。次作を読んだら、少しは感想が変わるかもしれない。