- 作者: 横山秀夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: 単行本
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『別冊文藝春秋』251(2004年5月号)、253〜260、262〜263(2006年5月)号掲載。全面改稿の上、2012年10月、単行本発売。
いわゆる「D県警シリーズ」の一冊。横山自身の作品としても、『震度0』以来7年ぶりとなる。本作品も改稿に改稿を重ね、当初は2009年に発売するはずが、作者自身が納得いかず、結局ほとんど書き直したという経緯がある。週刊文春、このミスいずれも1位を獲得。
ようやく出た一冊だったが、読むのは今頃。毎度のパターン。
それにしても、前半は重い。ページが重い。三上があまりにも空回りしていて、さすがに同情してしまう。元々警察とマスコミなんて持ちつ持たれつだっただろうに、今では腹芸なんてできない記者が多いんだろうなあ。途中からは物語が動き出して、ここからは俄然調子が良くなる。それでも三上の空回り自体は変わっていないが。それでも、仕事を見る上司がいるってことを書きたかったんだろうなあ。
対立中の事件勃発という展開にも驚いたが、この真相がさらに強烈。これには思わず唸ってしまった。こういう話の持って行き方もあるんだね、うん。
元新聞記者だった作者だから書けた話だろうなあ、とは思うが、逆に誘拐事件のみのストーリーも読んでみたかった気がする。ちょっと重すぎて、胃がもたれてしまったかな。