- 作者: 藤子不二雄A
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/05/28
- メディア: 単行本
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誌面に付いている「QRコード」を読み込むことで、スマートフォンやタブレットなどから「コミック小学館ブックス」特設サイトへリンク。そこで、藤子不二雄A氏の主要作品33作品合計3000ページ以上を、無料で読むことが可能。
2012年からタイトルが出ていた『藤子不二雄A まんが道大全』の名前が多分変わって出版された豪華ムック本。小学館は藤子・F・不二雄を優先していたイメージがあったので、藤子Aのこのような本を出してくれたこと自体は非常に嬉しい。ただ、作品について語っているところはほとんどが再録であるため、ちょっと不満。対談についても、井上陽水はまだしも、何で船越英一郎かなあというところがある。やっぱりここは阿木耀子でしょ(笑)。それは冗談としても、野沢雅子とかの声優を持ってくることはできなかったのだろうか。
当時のアシスタントたちが語る藤子Aなんてのも読みたかったなあ。作者の漫画の書き方とかを本職の目で語ってほしかったところである。
それと、『少年時代』第1話の再録はいらなかった。ムック本を買う人は藤子Aのファンだろうし、そういう人が『少年時代』を読んでいないとは思えない。それだったら、単行本未収録短編とか『まんが道スペシャル』の方がよっぽど良かった。
それにしても、こうやって一冊にまとまって見ると、本当に色々なジャンルの作品を手掛けていることがわかる。今回のジャンル分けは、「デビュー&初期作品」「冒険アクション」「ギャグ&コメディー」「ブラックユーモア」「ファンタジー&ミステリー」「ドキュメンタリー」「旅&ギャンブル」「青春ロマン」「コミックエッセイの世界」となっている。時代物も描いているし、多分この人が書いていないのは「ロボット漫画」ぐらいじゃないだろうか。うん、すごい。これだけ振れ幅の大きい漫画家は、そうそういない。少なくとも今の漫画家では、他社を縦断して発表することなんかできないから、もうこれだけの作家は現れないだろう。
作品リストを見て気になったのは『めがねのつるお』。
個人的にはオールカラーにするよりも、白黒でもいいからボリュームがほしかったところだけど、そちらはネオ・ユートピアでまとめた一冊があるからいいか(苦笑)。ということで、これからも頑張ってほしいものである。水木しげるの記録を抜くぐらい。