平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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石崎幸二『皇帝の新しい服』(講談社ノベルス)

皇帝の新しい服 (講談社ノベルス)

皇帝の新しい服 (講談社ノベルス)

瀬戸内海の島に代々伝わる、名門美蔵家・婿取りの儀式。櫻藍女子学院高校ミステリィ研究会・お騒がせトリオのミリア、ユリ、仁美は美味しい海の幸に目がくらんで、サラリーマン兼ミス研特別顧問の石崎を花婿候補に仕立てて島へ向かうことに。だがその儀式では過去数回にわたり殺人事件が発生し、いまだに真犯人が捕まっていない。さらに、石崎のもとにまで差出人不明の脅迫状が届く! 惨劇は繰り返されてしまうのか。(粗筋紹介より引用)

2012年12月、書き下ろし刊行。



女子高生シリーズ第9作目。表紙がラノベ風に変わったが、勝手に抱いていたミリアやユリとイメージが違うのにはちょっとがっかり。もっとバタ臭いイメージがあったなあ。まあ、勝手な戯言だけれども。

例によって孤島へ行くし、斉藤刑事もお約束で巻きこまれるし、血液型やDNAが事件の謎に関わってくるしと、いつものパターンを踏襲。パターンそのものも会話に組み込んで笑いに取ろうとしているのだから、この開き直りはたいしたものである。

ページも薄く、内容も薄く、島へ行くまでに半分を費やし、事件が起きたらと思ったらいつの間にか真相に迫っている。石粼が最後にビンタを食らうのもお約束。ま、気軽に読んでお約束を楽しむ作品だから、これでいいんだろうな。

たまにはもっと凝った作品を読みたい気もするけれど、それは卒業付近の話かな。ちゃんと進級しているから、時の流れはあるようだし。