『Ｆの森の大冒険 藤子・Ｆ・不二雄まんがワールド探検公式ガイド』（小学館 藤子・Ｆ・不二雄大全集別館）

藤子・F・不二雄大全集 別巻2 Fの森の大冒険: 藤子・F・不二雄まんがワールド探検公式ガイド

藤子・Ｆ・不二雄大全集第2期も無事に終了後の8月に出された一冊。「ソノシート・レコードまんが大全集」「タイムトリップ大研究! 初期作品の世界」「作品横断大探検! ルーツ・オブ・ドラ」「特別資料室別館」を収録。
今回の目玉は、オバＱ、パーマンのソノシート掲載漫画。ソノシート、懐かしいですね。小学館の学習雑誌の付録についていたことを思い出します。プレーヤーも自分で作って、自分で回して聞いていました。コミックスにはなかなか収録されない漫画が読めたことに満足。年少読者のためにか、ソノシートそのものの解説や時代背景なども記載されている。全集でもこれぐらい詳細な解説を入れてくれてもよいだろうに（笑）。広告やおまけギャラリーも充実しており、全集にかける編集者の意気込みを感じます。
逆に「タイムトリップ大研究! 初期作品の世界」はもっとページがほしかったところ。確かにあまり詳細に書きこむのはマイナスかもしれないが、せっかくの全集なのだからそれぐらいサービスしてくれてもと思ってしまうのは、ファン心理。特に藤子Aとの関係について記載されている部分が少ないことが、非常に不満である。
「ルーツ・オブ・ドラ」はただの客寄せ企画（苦笑）。「特別資料室別館」には企画ページやインタビュー記事が掲載。いっそのこと、インタビュー記事はまとめて一冊で出してほしかったところなんですが。手塚全集みたいに、講演集も出してほしい。
一部のファン以外に売れるのかどうかわからないこの公式ガイドだが、ファン自体にとっては非常にうれしい一冊。全集の合間に出すだけでなく、もっと積極的に藤子F関連を収録してほしい。
それにしても藤子F全集第4期は出るのだろうか。残っているのが初期・中期作品という状況なので、売れ行きという点から考えても厳しそうだが、ここまで来たらせっかくだから出してほしい。『異説クラブ』なども収録してほしいものである。