わかつきめぐみ『やにゃか さんぽ』（白泉社 ジェッツコミックス）

やにゃか さんぽ (花とゆめCOMICSスペシャル)

谷中霊園に捨てられた仔猫は、太助とミケの夫婦に救われ、やにゃかと名付けられる。そのまま谷中に住みついたやにゃかは、温かい猫たちに囲まれ、少しずつ成長していく。仔猫やにゃかの視線から、東京の下町である谷中を温かく描写した作品。白泉社HPにて2009年7月〜2010年12月まで発表。全18話。
前作『シシ12か月』が2007年に発行ということで、4年ぶりの新刊。しかも掲載されていたのは白泉社のホームページなのか。なんで雑誌に掲載されていないんだろう。今でも根強い人気のある作家だと思うのだが。
仔猫を主人公に下町の風景と魅力を描くという、わかつきらしいほのぼのとした作品である。独特の空間や間、温かい笑いと心は健在。基本的に短編作家だとは思うし、ゆっくりとしたペースで描いてもらえればいいのだが、久しぶりに長編を読んでみたいと思うのは私だけだろうか。『夏目家の妙な人々』みたいなドタバタ学園ものも読みたいなあ。