平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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ヘレン・マクロイ『ひとりで歩く女』(創元推理文庫)

ひとりで歩く女 (創元推理文庫)

ひとりで歩く女 (創元推理文庫)

西インド諸島を発つ日、わたしは滞在していた屋敷で、存在しない庭師から手紙の代筆を頼まれた。さらに、白昼夢が現実を浸蝕したように、ニューヨークへ帰る船上で生起する蜃気楼めいた出来事の数々。曰くありげな乗客たち、思いがけず出現した十万ドルの札束……。“誰かがわたしを殺そうとしています”--タイプライターで打たれた一編の長い手記から始まる物語は、奇妙な謎と戦慄とを孕んで、一寸先も見えない闇路をひた走る。縦横無尽に張り巡らされた伏線が感嘆を誘い、贅肉を削ぎ落とした文体が強烈な恐怖を産む、超絶のサスペンス!(粗筋紹介より引用)

1948年発表、マクロイの第10長編。1998年翻訳。



マクロイは『暗い鏡の中に』のイメージしか持っていない。サスペンスと書かれているが、本格ミステリの味も含まれているとは思わなかった。途中で読んでいてまどろっこしいなあと思っているところでも、最後には伏線が回収されているからよかったといえばよかった。まあ、トニーみたいな登場人物には読んでいてイライラさせられたが。ただサスペンスよりは技巧というイメージのほうが強い作品。

ただ実際のところを言うと、とりあえず読みました、感心しました、という程度の感想しかない。いやあ、本当だったらもっと語れる作品なんだろうけれどね。結局最初の手記が長すぎた、疲れた、というのが本音でもある。
いやー、この程度のことぐらいしか書けないや。疲れているなあ(苦笑)。昔だったら、中身はともかく、もう少し長文を書けたのに。