平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜

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「死刑の在り方についての勉強会」3回目会合

9月9日、外部有識者4人が、存続派、廃止派それぞれの立場から主張をしたとのこと。映像を見る気力はないので、新聞記事から書き抜き。ついでに私の意見も簡単に記してみた。
菊田幸一明大名誉教授「世界の潮流は廃止と執行停止。欧州連合EU)諸国は存置の世論を押し切り、為政者が強引に廃止に踏み切った。政治家は世論に逆らってでも廃止すべきだ。刑罰の在り方を議論する中で国民も理解する」 → 世界の多数決には従え、国内の多数決には従わなくて良い。そういうわけですね。国民の議論を無視してでも刑を勝手に変えろと言うわけですね。それのどこが民主主義なのか。それのどこが国民主権なのか。
菊田氏「被害者遺族を納得させるためにも仮釈放のない終身刑を設けるべきだ」 → 終身刑は世界の潮流に乗っていない刑なのだが。言っていることが矛盾している。それに、被害者遺族は犯人が生きていることに納得がいかないから、死刑という意見を述べている。
菊田氏「法の名の下に国家が人を殺すのが戦争と死刑。一方を放棄し、一方を認めるのは理屈が成り立たない」 → EU諸国は戦争を放棄などしていないが。平気で軍を外国に派遣するし、平気で人を殺しているが。
道上明日本弁護士連合会副会長「冤罪被害者を死刑にする恐れは現実のものだ」 → 冤罪は死刑に限らない。無期懲役だって、懲役2年だって、人生を破壊するには充分だ。まずは冤罪を作らないシステムを考えたらどうだ。民事で儲けている弁護士から金を徴収して刑事弁護に回せば、少しは冤罪が減るかも知れないぞ。それぐらい組織として動いてみたらどうだ。
道上氏「省内だけで、執行停止や廃止も含めた議論は不可能」 → そうかもね。国民のみんなに聞いてごらん。こんな議論はすぐに終わるよ、きっと。
岡村勲弁護士(全国犯罪被害者の会あすの会)の代表幹事)「妻や娘が乱暴され、生き埋めにされても『犯人を死刑にしないでくれ』と言えるのか」 → 私は言えない。絶対言わない。
岡村氏「死刑を野蛮という人は、殺人犯の残忍さを見ようとしない」 → 仰るとおり。
岡村氏「人の命を奪った者は自分の命をもって償うべきだ」 → 極論かも知れないが、受け容れられやすい意見。ただし私の場合、「故意に」という前提条件を付けるが(多分岡村氏も同じ意味で喋っていると思うが、念のため)。
岡村氏「死刑はかわいそうと情緒的に見られても困る。刑場を見せるなら、殺人の現場の悲惨な写真も同時に公開するべきだ」 → これは本気でそう思った。片方だけを見て可哀想などと思うのはおかしい。
本江威憙公証人(元検事)「国は被害者から復讐する権利を奪っているが、『人道主義』のような抽象的な言葉では納得は得られない。死刑を求める遺族感情を軽視すべきではない」 → 至極まっとうな意見。少なくとも廃止派は、これに対して納得できる反論を持っていない。
本江氏「死刑制度には犯罪を抑止する大きな力があると思う」 → 私もあると思っている。少なくとも目に見えない、そして数字に表れない力が。

結局存続派、廃止派とも従来の主張を繰り返すだけ。こんな中身のない議論、法務省の中で知らない人はいないと思う。